優しさ12mg

疲れたら立ち止まろう。

優しさ12mg

裸族であれ

人類よ、裸族であれ。

かつてあけみと呼ばれた神はそう告げて大宇宙を超えていったという。

時は流れ数千余年。

ネット上であけみと名乗る女は、部屋で一人全裸。

ただただ布の締め付けという呪縛から解き放たれ、彼女は自由だった。

そう、それはまるで宇宙をも超えたあの神のように……。

 

神の起源は詳しくは明かされていない。

ただ、とある村にて熱心に信仰されていたのは現人神であったという。

その村の民は現人神であるあけみと呼ばれる少女の言うことはなんでも従った。

それは祭事や暦にとどまらず、村人たちの暮らしの端々にまで及んだ。

現人神あけみは言った。

「布を纏うことは己の魂を自ら縛ることに他ならない。人類は裸族であるべきなのだ」

その言葉を受け、その村の民は皆全裸で生活を送っていたという。

結果、村は子宝に恵まれ、繁栄していくことになった。

しかし、繁栄が永遠に続くことはない。

とあるタイミングで村に疫病が発生した。

家族を失った村人の怒りは現人神あけみに向けられた。

村人は言った。

「全裸で暮らしているから、何も防げるものがないじゃないか」

「この村はおかしい、私たちに今すぐ服を与えてくれ」

「現人神なんて嘘っぱちだ」

あけみはその言葉を静かに聞いていた。

やがてあけみは服を着たいと主張する村人たちに処刑されることになった。

裸族であり続けたいと願った村人は村を去った。

刑の執行人はあけみに言い残すことはないか問うた。

あけみは叫んだ。

「人類よ、裸族であれ!!!」

 

 

数千余年の時が経った。

やがて滅ぶまで裸族を続けた村人たちの間に言い伝えが生まれた。

「あけみは宇宙を超えた存在になった」

その伝承は今に語り継がれているようないないような気がしないでもない。

 

とりあえず、私は今日も全裸でエディターに向き合っているのである。

私の名はあけみ。

私は現人神ではないが裸族である。

 

読んでくださりありがとうございました。