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【小説感想】ゲームの王国

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「ゲームの王国」読了しました。

いやぁ〜、長い物語だった。上下巻読むのに半年かかった。

でも、それだけ長いのにどこか続きを読んでしまう骨太〜な作品であった。

今日はそんな小川哲著「ゲームの王国」の感想、いってみよう。

 

小川哲 著「ゲームの王国」

上巻についての感想はこちら。

www.akemi-12mg.net

上下巻読むのに半年と言っているが、厳密には上巻に5ヶ月、下巻に1ヶ月かけているわね…はい、どうも物語に乗るまで時間がかかる私です。大体「ノルウェイの森」のときも「いもーとらいふ」のときもそうだったけど、上巻に時間かかるけど、下巻まで読めれば速いタイプです…。

 

※以下軽くネタバレあります。

 

この物語はポル・ポト政権がやってくる直前のカンボジアで始まる。

ポル・ポトの娘と言われるソリヤと、ロベーブレソンという村で生まれ育った天才少年ムイタックを中心として物語が展開していく。

史実に忠実で、上巻では社会主義構造の欠陥などを知る事ができる学問的な側面があったものの、下巻からはまさかの1ページ目からSF展開が始まる。

最初「SFとは? ゴリゴリ歴史モノの小説に見えるが?」と思っていた私はその時点でだいぶ意表を突かれることになる。これは史実を元にした壮大なフィクションの物語だったのだ。

細かな核心を突く言及は避けるけれど、この物語は上下巻で全く別の時代の話になる。上巻で引き込まれて「舞台が整った!」と思ったらその舞台を一度全部ぶっ壊して新しい舞台で下巻が始まる。この構成をとった著者の勇気というかタフさ、すげぇなぁ〜って思った。

でも、上下巻は確実に一つの地続きの物語として繋がっていて、上巻の展開が存在しなければ下巻の登場人物達に感情移入することも難しかったように思う。

これは余談だけど、この物語を書くにあたって著者の小川哲さんは「常に一番先の見えない選択肢を取って物語を作った」そうだ。これって実際小説を書いていると思うけど、なかなかできることではない。明るく見えている道を追って物語を紡いでいくのが普通の小説の書き方とするなら、暗く展開の広がりが見えない、しかも困難とわかっている方向にわざわざ進んでいくというのは相当精神的にタフでないとできないと思う。

 

物語の展開に関する驚きの話ばかりになっているけど、物語全体を通しての感想も書いておこう。

基本的に堅調な文体で物語が紡がれているのだけれど、泥を食べることで泥と対話できる泥という少年や輪ゴムの予言を信じるクワンという少年、一言も喋った事がなかったのに声を出すと想像以上の美声だった鉄板という男性など、思わず「マジかよ」と言いたくなるようなコミカルというか現実離れしたキャラも出てきて、読んでいる感覚はとても不思議な感じ。

基本的に当時のカンボジアは「知性」というものが軽視されて神や宗教が行動の指針だったのだとわかる、トンチンカンな会話の描写などの再現性がすごいと思った。いや再現性と言っても当時を知っているわけではないけれど。

そういう不思議な感覚に包まれて読書を進めていくと、だんだんドキドキハラハラする展開になっていく。全体的にはとてもエンタメ感の強い胸が熱くなる物語でした。

 

何せ文庫一冊で900円超えでそれが二冊、計750ページ超えっていうだいぶ、だいぶな分厚さと長さだから、手を出すのに勇気はいると思う。

でもこの物語は高確率で読者を引き込み、掴んで最後まで離さないすごい物語だったということは言える。壮大なのよ、カンボジアを舞台にしたとても壮大な物語でした。

ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)

ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:小川 哲
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: 文庫
 
ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)

ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者:小川 哲
  • 発売日: 2019/12/04
  • メディア: 文庫
 

ヤバヤバのヤバでした。

最後に、この物語に興味を持つきっかけをくれた、御ブロ友のりと (id:rito-jh)さんには感謝しかない。自分ではレビューでも読まなければなかなか手に取るタイプの物語ではなかったように思う。

これからも面白い本のレビュー楽しみにしています!!!

rito.gameha.com

rito.gameha.com

 

マジで読んで乗り出すと手が止まらなくなってしまうすごい小説でした。

りとさんの感想も合わせて読んでみると、俄然この小説について興味が湧いちゃうだろうな!

 

良い読書タイムでした。

 

 

読んでくださりありがとうございました。