優しさ12mg

疲れたら立ち止まろう。

優しさ12mg

【小説感想】夏の庭 The Friends(著:湯本香樹実)

スポンサードリンク

小説をちゃんと読破したのは『夏物語』が最後だったんだなぁ。

エッセイで星野源さんの『いのちの車窓から』も読んだけど、ブログにきちんと感想は記さなかったみたいだ。

www.akemi-12mg.net

遅読!!!

今日読み終えたのは湯本香樹実さんの『夏の庭 The Friends』という小説。

いやぁ〜、泣いちゃったね。ストーリーの大筋は見え見えだったのに、モロモロと泣いちゃったね。泣く時は「モロモロ」とは言わないか。そうだね。

 

湯本香樹実 著『夏の庭 The Friends』

あらすじはAmazonから引用しちゃうぞ。

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ―。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが…。喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。

 

もう、だめ。

まだ思い出しただけで泣けるような段階で感想を書くのは愚策だったかもしれない。

 

いや、書こう。突き進もう。

 

 

※以下軽くネタバレあると思います。

 

f:id:akemi_12mg:20210429170451j:plain

夏の庭 The Friends

 

もう勘のいい人ならあらすじの段階で色々と作品の大筋が見えちゃうと思うんだよね。多分その予想は間違ってないと思うんだけど、わかっていながらも最後まで読み進めていくと涙が堪えられなかった。

その感動を下支えしているのが、著者のすごい描写力だよなぁと思った。

時々物語とぱっと見関係無さそうな描写が差し込まれることがあるんだけど、それが逆にその作品の世界をよりリアルにしているんだよな。それは、チョイ役の下級生だったり、主人公の何気ない回想だったり。

お陰で世界に没入しちゃったよ。すごいなぁ。

 

そして、主人公たちトリオは皆何かしらの家庭のトラブルを抱えていたりする。それが小骨のように作中でも引っかかって、この子達は真っ当に大人になれるんだろうか…とか、心配になる。しかし最後まで読んだら、ああ、人って自分の考え方一つで環境という時に極楽にも地獄にもなるものに負けないで生きることができるものなんだ……と本当に感心したし、感動させられた。

そのある種大人になるための考え方を与えてくれたのが、主人公トリオにとっては”観察対象”のおじいちゃんだったんだなぁって。

 

思えば自分はこういう、大人になるための節目やきっかけを何一つ経験することなく、ここまでスライドしてきたなという感じがある。嫌なことからはみんな逃げてきていたからだ。

この作品を読んで、本当にメンターというか、追いかける指標となる人物が大切なんだということがわかった。そのメンターは、ここにいなくても、架空の人物でも構わないんだ。

自分以外の視点を常に自分の中に作っておくという意味でも、「あの人ならどうするかな」とか、そういう視点は大事なんだね。

 

いや、すごく良かった。

ジュンク堂でたまたま見つけて手に取ったけれど、良書でした。

本当、小中学生や読書に慣れていない人なんかが読むにも適している長さだし、色々な人に手にとって欲しいなと思った。

 

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

夏の庭―The Friends (新潮文庫)

 

 

読んでくださりありがとうございました。